令和6年第3回各務原市議会定例会 一般質問

災害時の支援受け入れ対応について

1. 本市が大規模災害等で被災した場合、他自治体及びボランティアの受け入れ体制はどのようになっているか。
【答弁】
近年、毎年のように全国各地で、地震や風水害などによる大規模な自然災害が頻発しており、近い将来、発生が危惧される南海トラフ地震では、本市に大きな被害をもたらすことが予測されています。
ひとたび大規模な災害が発生したときには、断水や停電、道路や橋の損壊、多数の火災、さらには「公助」の主体である行政自身が被災する可能性が非常に高くなります。
その場合、本市だけでは対応が困難となることが想定されるため、速やかに災害対策活動等が実施できるよう、他自治体やボランティアの受け入れ体制を構築しておく必要があります。
まず他自治体からの受け入れ体制について、本市においては、和5年3月に「人的応援に係る各務原市受援計画」を作成し、外部からの応援を円滑に受け入れるための手順や、避難所運営、り災証明交付など応援が必要となる24の業務を定めています。
大規模災害等が発生した場合には、まずは応援が必要となる業務を行う上で、不足している人員や必要となる資格などを把握・整理します。
その後、他の自治体と締結している災害時相互応援協定に基づき、応援を要請するとともに、受け入れに必要となる資機材や業務手順書を準備することとしています。
火に、ボランティアの受け入れ体制については、大規模災害発生時、市が必要と認めた場合に、社会福祉協議会に要請し、災害ボランティアセンターを設置します。
センターでは、災害ボランティアの募集を行い、被災者が求める支援の内容に応じて、ボランティア等の派遣を行うとともに、ボランティア活動に必要な移動支援などを行います。
市においても、ボランティア活動を実施するために必要となる場所や設備等を確保・提供するほか、被災状況や被災箇所の情報共有を行うなど、ボランティア活動が円滑に行われるよう努めてまいります。

2. 支援を受け入れる場合の課題は。また、課題解決に対し取り組んでいることは。
【答弁】
他自治体からの支援を受け入れる場合の課題について、過去の災害においては、被災自治体において不足人員が適正に把握できず、受け入れまでに時間を要した事例や、応援を受け入れたものの、受け入れ体制がっていないことにより、十分に活用することができなかった事例が見られました。
そのため、本市においても受援計画を作成し、受け入れ手順等を定めておりますが、大規模災害が発生した際に、実際に受援計画で定めているとおり円滑に機能するか検証することが必要と考えます。
このような中、今年度、県と本市を含む県内5市町との合同による「岐阜県総合防災訓練」が予定されており、災害対策本部の運営訓練にあわせて、他自治体からの応援職員の受け入れに関する訓練も計画されています。
また、毎年実施している市の災害対策本部訓練においても、今後、応援職員の受け入れに関する訓練を取り入れていきたいと考えています。
これらの訓練を通して、受援計画で定めた受け入れ手順等の確認を行い、災害対応能力の向上を図ってまいります。
次に、ボランティアを受け入れる場合の課題ついて、これまで本市では大規模災害が発生したことがなく、災害ボランティアセンターを開設したことはありませんが、過去の災害においては、センタースタッフの人手不足が課題として挙げられています。
センターでは、数多くの被災者からのニーズに対応するため、多くの人手が必要となる一方で、センタースタッフ自身も被災する可能性があり、こうした人手不足の問題は、本市においても同様に起きることが想定されます。
こうした課題を解決するため、本市においては、和2年度に社会福祉協議会や青年会議所、NPO等の関連団体と連携し「災害ボランティア連絡会議」を立ち上げ、毎年、意見交換や、他自治体のボランティア連絡会を招いての講演を行うなど、平時より顔の見える関係づくりを行っています。
また、災害発生時において、社会福祉協議会だけでセンターを運営することが困難となった場合には、災害ボランティア連絡会議が運営支援をすることとしています。

<AED の設置状況について>
(総論)
いつでも、どこでも、誰にでも起こりえるのが突然の心停止です。国内では心停止により一日200人以上もの方が亡くなっていると言われています。心停止をそのまま放置すると、1分間毎に生存率が約10%ずつ下がります。そのため、救急要請の原因が心停止だった場合、心肺蘇生法を行うまでの時間が経てば経つほど助かる確率は急激に低下するため、素早い応急処置が重要となります。
こうした中、本市の救急件数につきましては、令和5年度は7,200件を超え、わずか5年間で17%増加し、10年後には救急件数1万件も予想される状況です。最近では、市内7台の救急車が全て出動している状態になることも度々発生しているところです。
一方、平成3年に救急救命士法が制定されて以降、救命処置の範囲が拡大され、救命率も大きく向上してきました。更に救命率を向上させるため、平成16年には医療機器である AED の使用が一般市民にも認められました。
これを機に、本市においても平成17年に8台のAED を設置し、以降、高齢者が多く集まる施設やスポーツ施設をはじめ、教育施設や避難場所へ順次設置を拡大し、現在では161台のAEDを市内の公共施設に設置しています。
また、各施設に AEDを固定的に設置するだけでなく、市民マラソン大会などのイベントや、市民の皆様が主催する地域行事への貸し出し用 AEDも用意しています。
その他にも、市内には国や県などの公共施設や民間のAED が合わせて200台以上設置されています。
しかしここ数年、課題となっているのがAED 使用率の低さです。総務省消防庁が発表した「和5年版救急・救助の現状」によると、目撃された心停止のうち、約半数は心肺蘇生を受けておらず、更に、AEDによるショックが行われたのは、わずか4.3%であったとのことです。
AED の使用率が低い原因は大きく2点あり、1点目は AED の設置場所が知られていないことや、公共施設に設置された AED が、夜間には使用できないなどのアクセスの問題です。
この課題への対応策として、本市では今年度から市内全てのコンビニエンスストアに AEDを設置する事業を実施し、「各務原市には全てのコンビ二にAEDがある」を実現します。
コンビニエンスストアにAED を設置することについては、市内に満遍なく分布し、かつ、人通りの多い場所に所在し、市民がその場所を把握しており、さらには、24時間365日営業しているという数多くの利点があります。
この事業により、10月には市内全てのコンビニエンスストア全57店舗にAED が設置されることになります。
この県内初の取り組みに対し、「各務原市には全てのコンビニに AED がある」という市民の皆様に分かりやすいキャッチコピーを用いたPR活動を、救急の日や、消防フェアなどの各種イベントや救急救命講習などを通じて実施してまいります。
なお、コンビニエンスストアにAED を設置する事業につきましては、過去の一般質問において、大竹議員からもご提案をいただいたところです。
原因の2点目は救命に関する知識や経験がないため、救命行動をためらってしまう問題です。
この課題への対策としては、救命講習やAED講習の受講を市民に促し、一人でも多くの方に応急手当の知識を得ていただき、心肺蘇生をためらわない、気ある救命行動を一人でも多くの方々にしていただくことにより、救命率の向上につなげてまいります。
このようなAED を取り巻く課題に対し、本市では今後も様々な角度から問題を考察し、市民の皆様の声に耳を傾け、普及啓発活動の手を緩めることなく、救命の輪をさらに広げていけるよう、引き続き、取り組んでまいる所存です。

1. 本市のAED設置状況は。
【答弁】
令和6年9月現在、本市のAED 設置状況は、公共施設に126箇所、16 1台の設置となっています。
また、市内に設置されている国や県などの公共施設や、民間のAED については、一般財団法人日本救急医療財団のホームページから提供される AED設置登録情報を基に、指令室の地図に2 38台登録しています。
したがいまして、市内に合計399台のAEDが設置されていることを把握しています。

2. コンビニエンスストアへの設置計画及び進捗状況は。
【答弁】
コンビニエンスストアのAED 設置状況につきましては、「各務原市には全てのコンビニにAEDがある」をキャッチコピーに、市内にあるコンビニエンスストアのフランチャイズ5社と、全てのオーナー様に事業の趣旨を説明し、協定書の締結及び覚書の合意を致しました。
現在は、9月末の設置に向けて、事業者様と調整を進めているところであり、10月1日までに市内全57店舗への設置が完了し、運用を開始する予定です。
なお、すでにAED を自主的に設置されている店舗が2店舗ございましたので、今回新たに設置するのは55店舗となります。

3. (2)の設置後の周知方法は。
【答弁】
コンビニエンスストアへの AED 設置後の周知につきましては、「各務原市には全てのコンビニにAED がある」という、市民の皆様に分かりやすいキヤッチコピーを用いたPR活動を、救急の日や、消防フェアなどの各種イベントや救急救命講習などのAED を取り扱う事業を通じて実施してまいります。
また、広報かかみがはらや市ウェブサイト、市公式LINE 及び消防本部公式YOUTUBEなどのSNSを活用した広報活動も併せて展開してまいります。

4. AED の使用方法の周知は。
【答弁】
本市では、毎年救急救命講習を開催し、多くの方々にAED の使用方法をお伝えしてきました。
また、企業の消防訓練や自治会の自主防災訓練の各種訓練の中に AED の取扱説明を加えるなど、AED の使用に関する啓発活動も行っています。
さらに、救急の日や消防フェアなどのイベントでの啓発をはじめ、近年急速に普及しているSNSでの情報発言など、広く市民への周知を図り、一人でも多くの方に AEDの取扱いや救急救命講習への参加を促しています。
今後もこれらの普及啓発活動の手を緩めることなく、救命の輪をさらに広げていけるよう、邁進してまいります。

<本市のため池について>
1. 本市のため池の総数及び堤体を検査して補強工事等が必要な個所は。また、本市のため池体の補強等工事計画はどのようになっているか。
【答弁】
市内にある農業用のため池の総数は28です。
その内、20か所のため池が、決壊した場合、浸水区域に家屋や公共施設が存在し、人的被害を与える恐れのあるため池として「防災重点農業用ため池」に指定されております。
この20か所のため池について、平成30年度から県が劣化状況や地震、豪雨に対する耐性の評価を進めており、現在のところ 17か所のため池において、堤体または余水吐に補強や改修等が必要であると判定されています。
補強や改修工事は、県営事業として岐阜県が施工しておりますが、すでに苧ヶ瀬池、大安寺新池、西山池の3か所については完了しています。
また、今年度からは苺池、奥池、あび池の3か所で工事に着手しており、残りのため池についても、順次、補強や改修が行われていく予定となっております。

2. ため池ハザードマップの地域住民への周知はどのようになっているか。
【答弁】
ため池ハザードマップは平成 28年度に岐阜県が作成し、その内容を公表するとともに、県内各市町村にも情報が提供されております。
県から情報提供を受け、市のウェブサイトにてため池ごとに公開しているほか、市の防災ハンドブックの改訂(令和3年3月)を機に、新たにため池のハザードマップを掲載するなど、住民周知に努めているところであります。
このハンドブックは市内全戸に配布しており、一定の周知効果があったと考えますが、更なる啓発のため、防災対策課と連携し、例えば防災に関するイベントや職員による出前講座などの機会を通じて、情報発言に力を入れてまいります。

3. ため池ハザードマップの地域住民への周知はどのようになっているか。
【答弁】
ため池ハザードマップは平成 28年度に岐阜県が作成し、その内容を公表するとともに、県内各市町村にも情報が提供されております。
県から情報提供を受け、市のウェブサイトにてため池ごとに公開しているほか、市の防災ハンドブックの改訂(令和3年3月)を機に、新たにため池のハザードマップを掲載するなど、住民周知に努めているところであります。
このハンドブックは市内全戸に配布しており、一定の周知効果があったと考えますが、更なる啓発のため、防災対策課と連携し、例えば防災に関するイベントや職員による出前講座などの機会を通じて、情報発言に力を入れてまいります。

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